【クリニックの内装工事】工事区分について
2025年08月19日
内装工事の「A工事」「B工事」「C工事」とは?
クリニックやオフィスの新規開設・移転の際に必ず耳にするのが、「A工事」「B工事」「C工事」という区分です。初めて開業や出店を考える先生方にとっては、少し分かりにくい言葉かもしれません。今回は、この3つの工事の違いを整理してみます。
A工事:ビルオーナー負担の工事
A工事は、ビルオーナー(貸主)が費用を負担する工事です。
主に建物全体に関わる部分、共用部や構造体に関連する工事がこれにあたります。
例えば、
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ビルの外壁や共用廊下の工事
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エレベーターや空調のメイン設備
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電気・水道の幹線引き込み
といったものがA工事です。入居者が費用を負担する必要はありません。
B工事:ビル指定業者による工事
B工事は、入居者の負担ですが、ビル指定の業者が行う工事です。
テナント区画内であっても、ビル全体に影響を与える可能性がある部分については、管理上の理由から指定業者が施工します。
具体例としては、
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空調の接続工事
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防災設備(スプリンクラー・火災報知器)との連動
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電気容量の追加工事
などが挙げられます。「オーナー側のルールに従わないといけない工事」と覚えるとわかりやすいでしょう。
B工事は、オーナー側の指定による業者で、一般的には内情を良く知っているA工事を行った業者が指名される事が多いです。
工事費用については、割高になる事が多く、値段交渉はあまりできません。
駅前の鉄道会社が持っているビルや大きなビルの場合、数百万円になる事もあります。
ただ、C工事の詳細が決まらないと、B工事の費用も割り出せないので、金額についてはかなり後から知る事になりますが、融資交渉の事もあるので、大体の金額見通しについては早めに確認が必要です。
C工事:テナントが自由に発注できる工事
C工事は、入居者が費用を負担し、自由に業者を選べる工事です。
デザインや内装仕上げに関する部分が多く、店舗やクリニックの“顔”になる部分でもあります。
例えば、
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床・壁・天井の仕上げ
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照明・家具・什器
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受付カウンターや診察室の造作
などが該当します。先生方が最もこだわりやすい工事とも言えます。
やはり科目による違いもあり、先生のお考えを聞きつつアドバイスが必要なので、経験のある医療専門の内装業者の方が安心です。
ただ、物件によっては内装業者は指定される事があります。
まとめ
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A工事 … オーナー負担(建物全体に関わる部分)
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B工事 … 先生負担だが指定業者施工(建物に影響のある部分)
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C工事 … 先生負担で自由に発注可能(内装・仕上げ部分)
この区分を理解しておくことで、予算の見通しを立てやすくなり、工事打ち合わせもスムーズに進みます。
👉 当社では、物件探しから内装工事、開業支援まで一貫してサポートしております。
「A工事・B工事・C工事ってどう分けられているの?」といった疑問が出てきた際は、ぜひお気軽にご相談ください。